リピートは「味」で決まらない。
どんなに美味しくても、リピートされない店は山ほどある。
逆に、味はそこそこでも「また来ちゃう」店もある。
違いはどこにあるか?
それは、「食べ終わった後の感情」が設計されているかどうかだ。
最後の一口が、すべてを決める。
人は「終わりの印象」で全体の体験を評価する。
これを心理学では「ピーク・エンドの法則」と呼ぶ。
体験の印象 = ピーク(最も強烈だった瞬間) + エンド(最後にどう終わったか)
つまり、“また行きたい”は、最後の一口で決まる。
「雑炊まで食べる」=ブランド設計そのもの
たとえば「地獄の担担麺」は、雑炊で完結するように設計されている。
- 罪悪感すら背徳感に変える味の濃さ
- 完飲したくなる中毒的なスープ
- 雑炊セットで“終わりにご褒美”を演出
これにより、最後の一口で幸福感がピークに達し、リピートが自然に起きる。
うまいラーメンは多い。でも“最後まで設計されたラーメン”は少ない。
「出口」がブランドを決める
食事中は地獄。だけど、帰るときは笑顔で「ありがとうございました」。
このギャップが、人の記憶に残る。
接客、声かけ、表情、余韻──すべてが「最後の印象」を作る演出になる。
要素 | よくある店 | また来たくなる店 |
---|---|---|
スープ完飲後 | 満足はするけど、それで終わる | 満足+幸福感(雑炊で余韻が残る) |
食後の対応 | 無言 or 「ありがとうございました」 | 必ず顔を見て、笑顔で「ありがとうございました」 |
退店時の印象 | あまり記憶に残らない | “地獄とのギャップ”が心に残る |
まとめ:「終わり」が次を呼ぶ。
リピートを狙うなら、始まりよりも終わりを磨け。
料理は“満腹”で終わらせるんじゃない。
“また食べたい”で終わらせることが、戦略だ。
その一口と、最後の一言があるかないかで、売上は未来ごと変わる。